ベッドタウン・ボウイ

渋谷から田園都市線で20分の郊外に住む大学生日記。

『火花』を読む

 

今日は日曜日なのに雨が降っていた。暇だし、外にも出たくないので久しぶりに読書をした。そういえば読書の秋。

僕の本棚には、いつか読もうと思っている本がたくさん眠っている。

3月に買って、いつの間にか芥川賞を取っていた『火花』もそうだ。

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ハードカバーの本だから、カバンに入れて外で読むのを憚っていた。あと、高校生の時に読んだ人生最初で最後の純文学が、阿部公房さんの『砂の女』で意味が分からなかった。だから、純文学を敬遠していた。

でも、話題だったし買ったので読まないともったいない。お昼ご飯を食べ終わった微睡みの午後、ゆるゆると表紙を開く。

 

先輩と後輩の関係である二人のお笑い芸人が、笑いとは何かを追求していく物語。帯には『人間存在の根本を見つめた真摯な筆致』という文句が書かれている。

先輩の深いような深くないような言葉と、それに助けを求める後輩の闇が面白い。

一番好きなところは、後輩が先輩の考えそうなことはわかっても、考えていることはわからないと感じている場面。憧れているものに近づいて、多くを吸収しても憧れているものにはなれないんだなと思う。

 

他にも、後輩が抱える闇を通して共感する場面は多々あった。共感することが、僕を含む人間存在の根本を見つめられたということなのだろうか。反抗期の名残で、なんだか共感することが恥ずかしくなってきた。

 

【読み終わって】

悪い意味ではなく、判断基準が分からないからという理由で、なぜこの本が芥川賞を受賞したのか分からない。僕の少ない読書経験でも、同じように登場人物の闇を共感できる本はたくさんあったような気がする。

批評はできないけど、誰でも持っている主観的な面白いか面白くないかセンサーでいうと、僕は絶対に面白い本だと思う。

あと、読みやすかったので『砂の女』で感じた純文学をためらう気持ちが薄らいだ。良かった